“The crisis situation”

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http://www.sponichi.co.jp/…/10/01/k…/K20161001013451650.html

今年のリオ男子マラソン金メダルのキプチョゲ選手は前半のハーフ1:05:55で、後半のハーフが1:02:49のネガティブラップで優勝。

しかも夏のマラソン。

日本人選手でこのネガティブラップ出せる選手は聞いた事が無い。この記事では2時間8分台で勝負になるかもと書いてあるが、そんなに甘くない。夏のマラソンでネガティブラップで2時間8分台出せるほど甘くない。まず、日本人は勝負できないと思う。

リオ男子マラソン3位のラップ選手はなんとマラソン2回目。マラソン2回目の選手が銅メダルを取れた事の意味 (客観的に彼の良さを分析したうえでのタクティクス)を考えれば、サラザールがマラソンを選んだ戦略の重要さがみえて来る。

しかもラップ選手は2月のオリンピックトライアル(初マラソン)の後の、3月初旬の室内の3000mにも出場してそこそこのタイム (7:48:43で8位)を出している (マラソン走ったあとに3000mを本気で走る日本人選手は聞いた事が無い=アメリカマラソントライアルのラップ選手の圧勝は余裕残しであった=疲労が著しく残っていない)。

これは、サラザールの戦略のもと、ラップ選手がポートランドで3月中旬に開催された世界室内の代表権利を狙いにいったものだが、結果は8位で落選。それでも室内で7分48秒という、そこそこのタイムで走っている。つまり、ラップ選手はマラソンも走れるが、スピード持久力もかなりある。

ラップ選手は今回のリオでは10000mにも出場している。日本人選手に10000mとマラソンを兼ねるそのポテンシャルと戦略や概念は今のところ存在しない。

そして今回のリオ男子マラソンの特筆すべきは、アメリカのワード選手が自己記録の2:11:30で6位に入った事だ。

この結果を見て、本当にオリンピックで結果を求めるなら、必要なのは“持ちタイム”ではなく、テーパリング能力やピーキング能力であり、“速さ=一発でも良い記録を出す事”より“タフさ”や“強さ=コンスタントに記録や順位がついてくる事”ではないか。

日本の選手は条件の良い国内のレース (このことを肝に銘じることはかなり重要)で持ちタイムを伸ばす事が現実的に可能でありそれがスタンダードであるが、それが本当の強さとは限らない。

日本の記録会に関しても同様だ。条件の良いなかでペースメーカーがいれば記録が出るのは当然だ。そこに激しいペースの上げ下げなどあまり存在しないし、存在したとしてもケニア人が引き離して日本人はつけない。

普段より良い練習環境で練習に取り組む事は重要であるが、レースという水物でナマモノの体験では失敗も含めて数多くのケースを体験しないといわゆる駆け引きという名のペースの上げ下げにケースバイケースで対応できなくなる。

その意味では、海外レースに数多く出る事は、食事、時差、気温、気候、全ての条件において、日本の慣れた条件ではないという、非日常の中でのケースバイケースを磨くとても重要な機会である。

失敗する事から学ぶ事はスポーツや人生や勉強や仕事でも同じはずだ。

それこそが、大迫選手とそれ以外の日本選手の差だと思う。大迫選手は語学も含めアメリカで慣れない環境で自分をブラッシュアップしている。本田圭介もそうやって自分をブラッシュアップして来たはずだ。大迫選手や高岡選手は数多くの海外遠征によって絶え間ない変化への対応力を磨き結果的に日本記録を複数種目で残した。

今の日本人実業団選手と大迫選手の目標が同じでも、それに対するプロセスがまるで違う。

今後、これから重要になってくるのは、日本人エージェントの質と交渉力の向上だと私は思う。なぜならエージェントが、海外マラソンやダイヤモンドリーグ等、主要大会への交渉 (時には無理くりコネで入れてもらったり、インバイトをもらう)、海外チームへの練習参加や合宿の斡旋を行うからだ。

このことを考えると、海外遠征が主要となっている、オレゴンプロジェクトや東アフリカの選手が台頭するのは当然で、日本の競技会は調整程度と考えるぐらいというかそのレベルに達していないと世界で戦うなんて恥ずかしいレベルだと思う。

日本でちょっといい記録が出たからっていって簡単に世界と戦えるわけない。メディアも報道の仕方を考えないといけないと真剣に思う。マジで。

大迫選手が走った2015プレフォンティンクラシックでの10000mでの記録や、リエティでの3000m、ナイトオブアスレティックスでの5000mのレースは多数の駆け引きがあり、特にリエティとベルギーでの記録はその中で生まれた日本記録だから、とても価値のある記録だと思う。

でも、大迫選手、本人曰くそれはあくまで通過点であって、満足はしていない言うし、それでいいと思う。結果に一喜一憂せず、全くブレていない。本田圭介のようだ。

なぜなら彼=大迫選手はそれらのレースで1位をとった訳ではないからだ。というか、勝負に敗北している。イメージとしては80%ぐらいだったのではないか。

色々述べたが、日本マラソン界の課題はとても多い。主要マラソンを夏に移行したところで、そんな簡単におさまる問題ではない。この記事は浅はか。仮説の立て方が???と思う。

アメリカのように、世界選手権やオリンピックにおいての、マラソンの代表一発選考型のメリットは大いにある。

また、ケニアのように選手の質や層が厚いなら、ケニアのように複数の選考会で選ぶのもいいと思う。

しかし今の日本の中長距離レベルはそのレベルには無い。

ケネニサ・ベケレ選手が、ウィルソン・キプサング選手がリオ・オリンピック代表から漏れて (それほどケニアとエチオピアの選手層が厚いということ)、それでも二人がベルリンで出した2時間3分台の記録の意味を考える事の意義はとても大きい。

同時に、キプチョゲ選手がリオのマラソンに出ると決まったその時から金メダルは大方決まっていたと思う。果たしてキプチョゲ選手がベルリンに出ていれば世界記録は更新できたのではないか??

そう思う人もいると思うし、それが今の世界のマラソン界の、ケニアの考え方だと思う。そうやって選択できる権利がある事自体、それこそが彼=キプチョゲ選手のポテンシャルなのだから。

参考までにIAAFのリオ男子マラソンレポート
https://www.iaaf.org/news/report/rio-2016-men-marathon

 

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Posted by Tsukasa Kawarai

Photo by  Tsukasa Kawarai

(c) 2016 T.Kawarai all rights reserved

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